読んでみた:人生の9割は逃げていい。(著:井口晃)

井口晃さんの著書『人生の9割は逃げていい。』。会社を辞めて、間もない頃は「この選択で良かったのだろうか」と思うこともあった。そんな時にこの本を読むことが出来て良かった。自分の思いがかなり入っているが、早速紹介したい。

1.人生の選択肢は逃げた先にある

今、働いている職場環境に心から満足している人にはいるだろうか。

口にこそ出さないけれど、上司との軋轢や、歪んだ人間関係、澱んだ職場の空気に辟易しながらもライスワークのために耐え忍んでいる人も多いのではないかと思う。それは、職を失う恐怖(生存欲求)によるものが大きいのだろうが、根底にはこんな意識の「刷り込み」がないだろうか。

「どんな困難でも乗り越え、逃げずに立ち向かう人が正しい」、と。

著者である井口さんは、これを「洗脳」とバッサリ切り捨て、「逃げずに立ち向かい続けるという考え方」は、人生の戦略において間違っているとしか言いようがない、と断言する。

そのうえで、

「古い価値観」

「自分に合わない仕事・人間関係」

「自分にふさわしくない環境」

からは逃げ続けなければいけない、と説く。古い固定観念や自分に合わない仕事や環境下では「努力しても人生がうまくいかない」状況から抜け出すことは出来ない。

ここで私見を挟むが、評価基準があいまいなところで、あらん限りの努力を積み重ねても、評価は期待できない。

会社は「法人」というだけあって、様々な感情が入り乱れる集合体だ。「好き嫌い」で出世や評価が決まることだって珍しいことではない。

職場の人間関係も悪い。働いていて心の休まるときがない、という状況に至ってもなお、「自分の努力が足りないから」「自分に問題があるから」と考えて、一心不乱に努力することは実は「思考停止」という逃避ではないか、と仕事を辞め、本書を読んだいまは強く思うようになった。

「人生がうまくいかないのは、今の環境や人間関係によって能力を抑え込まれているから」であり、自分に合わない環境下で望む評価を得られず、自分のセルフイメージを下げていくことは人生の致命傷になる、と著者は言う。

セルフイメージが極限まで欠損しまったら、現状にしがみつく力はもう残っていない、忍耐はとっくに擦り切れてしまっている状況だ。そこから自分の人生を取り戻すには相当の労力を要するし、何より、一回しかない掛けがえの無い自分の人生をたかだか一法人ごときに蹂躙されてはならない。

辞退の好転が望めないなら、そこから逃げることを「勇気を持って」検討してほしい。自分の経験から言うならば「まだやれる」という余力が残っているうちに次の就職先を探しておくくらいのフットワークがあった方が良い。

「逃げれば、選択肢が増えます。見える世界が広がるので、今の現実がすべてではないと気づくことができます」

著者の言葉を自分の体験に基づき解釈すると、

「今いる場所から『逃げると決断して逃げる』ことで、失われたセルフイメージが回復する。そこでようやく周りを見る余裕が出てくる。そして、他にも選択肢があることに気付く」といったところだろうか。

会社から逃げ出して、いま僕は長年の夢だった社会保険労務士を目指すことにした。新しい選択肢が与えられ、自分のセルフイメージを貶めるだけだった会社のことは記憶の端にも残らなくなった。

貴方を不当に傷つけるところからは逃げていい。逃げることは恥でも何でもなく貴方の勇気の発露だ。

逃げる貴方を非難する声は無視しよう。その環境を甘んじて受け入れる人間は不適切な職場環境で働くことから目を逸らして「思考逃避」しているのだから。貴方を非難する人は違うベクトルに逃げているに過ぎない。

逃げることは次の選択肢を目の前に出す起動スイッチのようなものだ。それを押して初めて「次にどうするか」という選択肢を選ぶシチュエーションがやってくる。

それは勇気を持って逃げる人に与えられた特権ではないかと思う。

2.逃げ続けることで完成する「選択と集中」

著者である井口さんはあらゆることから逃げるべきだと説く。

「9割の仕事からは逃げていい」

「苦手な仕事からは逃げていい」

「残業・長時間労働からは逃げていい」

「計画からは逃げていい」

「根性論からは逃げていい」

など多岐に渡るが、根底には共通のメッセージがある。

「一度きりの人生、あなたしか生きることのできない人生を生きましょう」

自分だけしか生きられない生き方とは何か、と考えたとき、逃げることを選ぶ生き方の「重さ」を再認識させられる。

本書で言われている「逃げる」はチャレンジと漏れなくセットになっている。やってみて合わなければ「逃げる」のだ。

無数にある選択肢に果敢に挑んでいき、「自分が本当にやりたい」という選択肢が見つかるまで逃げながら、自分に合わない選択肢を潰していく。実はとても根気がいる作業で、且つ自分をどこまでも信じる生き方なのだ。必ず自分の理想とする人生はあると信じるのだから。

つまり、人生の9割から逃げるためには、他人軸に依らない自分軸での選択が必要になる、ということ。

「あの人がそう言ったから」では人生で起こる出来事の9割から逃げることは出来ない。「これは自分には合わない」と自分の基準で判断し、且つ、その基準は厳格に適用すること。そうしないと9割から逃げることを選択できないのだ。

そうして見つけた「本当にやりたいこと」に全力を傾ける。そこまでして初めて理想の人生は目の前に現れる。

宝石の原石を徹底的にカッティングして、研磨して一粒の宝石を生み出すように人生から「自分らしさ」を切り出し、凝縮させる、人生の極限のミニマリズム。それが本書の要旨であると思う。

ただ、これからの「能力」は他人と比べるものではなく、「如何に自分らしくあるか」を能力と呼ぶことになるだろう。

だからこそ、自分に合わないものからは勇気を持って逃げ、本当に自分が求めるものを探し続けることは、マストであると思う。

読むことができて良かった。是非一読いただきたい。

 

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この記事を書いた人

重崎 宗

重崎 宗

2018年8月から社会保険労務士としてキャリアをリスタートすることになりました。

ブログ継続のためにWiifit(現在はWiifit「U」)で、インドア「ゆる」トレ(Wiifit「U」運動習慣)と体重測定を2017年2月から開始。500日以上継続して行い、その記録をブログに上げています。結果、BMIは23前半から21台後半まで落ち、5Kgのダイエットに成功しました。

1993年Jリーグ創設当時から、鹿島アントラーズサポーターでちょくちょくカシマスタジアムを観戦に訪れております。

好きな飲み物はアイスコーヒー。好きな食べ物はラーメン。今はラーメンに偏りがちなので、アイスコーヒーの記事も伸ばしていきたいと思っています。

ブログを書き始めたきっかけは「自分らしく」生きるためには「自分自身」をアウトプットしなければならないと感じたから。

社会保険労務士専門分野、幼いころから患っているアトピー性皮膚炎に関してもアウトプットしていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。